●職業のアイドレス● ●高位西国人+猫妖精+パイロット● |
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イラスト:高渡 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
●設定文 |
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/*/ 戦乱に揺れるFEGに高位西国人が出現し、国政に参加するのと時を同じくしてFEG軍パイロット部隊にも変化が現れた。 最初に、パイロット部隊が駐屯する飛行場のいたるところに大きなソファが置かれるようになった。 それも、街のデパートで売っているような簡素な作りの物ではなく、明らかにソファ職人が丹精に作り上げた業物である。当然、座り心地も良く猫なら丸くなり眠ってしまいたくなるものである。 “いったい誰が?”“軍上層部からの贈り物?”“昼寝に丁度いいソファだ” 同じ飛行場に駐屯するI=Dの整備士部隊の間に様々な憶測が飛び交ったが、真実は謎のままであった。 次に、パイロットたちの中で嗜好が変わりだした者が続出した。 ある日、FEGのトップガンでもありパイロットたちの訓練教官でもある是空王は、パイロットたちにI=Dの操縦訓練を行わせるため、彼らをFEG北部の飛行場に集合させた。そして、そこで見たものは、前日と雰囲気がまったく変わった何人かのパイロットであった。 雰囲気がまったく変わったパイロットたちは、他の数多くいるパイロットに奇異の目を向けられていたが、自分たちにはどこも変わった自覚はなく、なぜそのような目で見られるか理解ができず、不審に顔を曇らせた。 猫耳もある。くねくね動く尻尾もある。パイロットスーツを着込みマフラーを着けた姿は、明らかに昨日までと同じパイロットたちである。 昨日と違っていたのは、小さな装飾品を身につけていたことである。パイロットスーツには勲章が。その猫耳にはイヤリングが。そして頭には頭輪が。今までの質素な格好を好み勲章を着けるのも嫌がっていたパイロットたちは、なぜかこぞって勲章だけでなくイヤリングや頭輪などの装飾品を身につけているのだ。 自身も高位西国人である是空王は、即座にそのパイロットたちが高位西国人に成りかけているのではないかと予想を立てた。 是空王はI=Dの操縦訓練を早々に切り上げ、雰囲気が変わったパイロットたちを王宮にある私室に招くことにした。 大きなソファに持たれ掛け、団扇を使う是空王。 宮廷服のようなゆったりとした服装に着替えたパイロットたちは、団扇が動くのを食い入るように見つめていた。 その姿を見た是空王は、パイロットたちは動く団扇に反応するという猫妖精の血が騒ぐのではなく、彼らを構成するアイドレスの根本である人のアイドレスが西国人から高位西国人に変化しているのを確信した。 そして、おもむろに居並ぶパイロットの人数分の団扇を取り出し、一人一人に配り始めた。 「略式だがこの団扇を持って諸君を高位西国人として認めよう。正式な叙任は明日行うから、朝一番に王宮に顔を出すように」 後世のアイドレス研究家が著書を出版する際には、このパイロットたちが徐々に高位西国人へ変化していった一件を、アイドレスの歴史の中でも稀有な例としてページを割いている。 通常、アイドレスが変更される場合は、“着替え”と呼ばれるように一瞬に変更される。アイドレスを構成する最も基本的なアイドレスである人のアイドレスも同様であり、“着替え”を行えば一瞬で変更され、このパイロットたちのように徐々に新しいアイドレスの特徴が現れるのは前例が無いことであった。 このことと因果関係があるか不明であるが、徐々に高位西国人に変化していった彼らの能力は高く、高位西国人のポテンシャルの高さもあり、目覚しい戦果を上げることとなる。 FEGの高位西国人+猫妖精+パイロットのアイドレスは、戦乱に揺れたニューワールドで戦乱を収めた一翼を担ったとして、FEGの歴史の中でも誇らしげに記録されている。 /*/ |
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文章:ジャイ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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